ここでは、航空分野で特定技能外国人を雇用するにはどうしたらよいかを簡単に説明します。特定技能ビザ(在留資格「特定技能」)についての基本的なことはこちらをご覧ください。

受入れ企業の要件

まず、特定技能所属機関(受入れ企業)の要件を説明します。

業務区分該当性(従事する業務)

 航空分野の主たる業務は、特定技能評価試験の試験区分に対応し、それぞれ以下の通りです。なお、業務の遂行に際しては、航空法等の関係法令や安全管理規定,業務規定,運航・整備規定,社内規定等の奇蹄類を遵守することが必要です。

特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)の合格者

 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務等)

 特定技能運用要領および国土交通省「航空分野における新たな外国人材の受け入れについて」は、主たる業務の対象として、より具体的に、資格保持者等の指導者やチームリーダーの下で行う、(1) 航空機地上走行支援業務(航空機の駐機場への誘導や移動),(2) 手荷物・貨物取扱業務(手音物・貨物の仕分け,ULDの積付,取り降し・解体),(3) 手荷物・貨物の航空機降搭載業務(手荷物・貨物の航空機への移送,搭降載),(4) 航空機内外の清掃整備業務(客室内清掃,遺失部物等の検索,機用品補充や機体の洗浄)を掲げています。

 上記主たる業務とあわせて行う限りにおいて、当該業務に当該事業所において従事する日本人が通常従事することになる関連業務(事務作業、除雪作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。特定技能運用要領は、関連業務にあたりうる具体例として、(1) 事務作業,(2)作業場所の整理整頓や清掃,(3)降雪時における作業場所の除雪を挙げています。

特定技能評価試験(航空分野:航空機整備)の合格者

 航空機整備(機体,装備品等の整備業務等)

 特定技能運用要領および国土交通省「航空分野における新たな外国人材の受け入れについて」は、主たる業務の対象として、より具体的に、資格保持者等の指導者やチームリーダーの下で行う、(1) 運航整備(空港に到着した航空機に対して、次のフライトまでの間に行う整備),(2) 機体整備(通常1~1年半ごとに実施する,約1~2週間にわたり機体の隅々まで行う整備,(3) 装備品・原動機整備(航空機から取り下ろされた脚部や動翼,飛行・操縦に用いられる計器類等およびエンジンの整備)等において行う航空機の機体,装備品または部品の整備業務全般を掲げています。

 上記主たる業務とあわせて行う限りにおいて、当該業務に当該事業所において従事する日本人が通常従事することになる関連業務(事務作業、除雪作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。特定技能運用要領は、関連業務にあたりうる具体例として、(1) 事務作業,(2)作業場所の整理整頓や清掃,(3)降雪時における作業場所の除雪を挙げています。

受入れ機関適合性

 受入れ機関は、下記1~5の事項等を遵守する旨の「航空分野における特定技能外国人の受け入れに関する誓約書」を提出しなければならず、誓約事項を遵守できなくなった場合は、その旨を出入国在留管理庁長官及び国土交通大臣に対し報告することが求められます。

 また、登録支援機関も、下記5を遵守する旨の「航空分野における特定技能外国人の受け入れに関する誓約書」を提出しなければならず、誓約事項を遵守できなくなった場合は、その旨を出入国在留管理庁長官及び国土交通大臣に対し報告することが求められます。

1.空港管理規則に基づく構内営業承認等を受けた事業者または航空法に基づく航空機整備等に係る認定事業場等であること

(1)空港グランドハンドリングの業務区分で特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関

 空港グランドハンドリングの業務区分で特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関は、空港管理規則12条1項もしくは12条の2第1項の商品を受けた者(航空法100条1項の許可を受けた者を含みます。)もしくは空港管理規則13条1項の規定に準じて定められた条例、規則その他の規程の規定に相当するものに基づき空港管理者により営業を行うことを認められた者であって、空港グランドハンドリングを営むmの出なければなりません。空港グランドハンドリングの業務区分での受入れにおいては、次のいずれか該当する書類の提出が必要です。(1) 国管理空港における空港管理規則に基づく構内営業の承認書(写し)または会社管理・地方自治体管理空港における空港管理者による営業の承認,許可を証明する書類(写し)または(2)航空法に基づく航空運送事業の経営許可書(写し)の提出が必要です。

(2)航空整備の業務区分で特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関

 航空機整備の業務区分で特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関は、航空法20条1項3号,4号もしくは7号の能力について動向の国土交通大臣による認定を受けた者(以下「航空機整備等に係る能力について認定を受けた者」といいます。)もしくは等会社から業務の委託を受けた者でなければなりません。

 前者については、自らが航空機整備等に係る能力について認定を受けた者であることを証明する必要があります。後者については、委託元が航空機整備等に係る能力について認定を受けた者であることを証明するとともに、自らが当該委託元から業務の委託を受けた者であることを証明する必要があります。

 航空機整備の業務区分での受入れにおいては、次のいずれか該当する書類の提出が必要です。(1) 航空機整備等に係る能力について国土交通大辞任による認定を受けた者(能力3:航空機の整備および整備後の検査の能力,能力4:航空機の整備または改造の能力,能力7:装備品の修理または改造の能力に限ります。)であることを証明するもの(国土交通省航空局の「航空安全情報管理・提供死すr無の認定事業場検査履歴」に掲載される事業場情報一覧によります。)または(2) 航空機整備等に係る能力について認定を受けた者から業務の委託を受けた者にあっては、委託もとい係る上規模書類および委託契約書(写し)の提出が必要です。

2.協議会の構成員であること

 特定技能所属機関が、国土交通省が設置する航空分野特定技能協議会(以下、この文章において「協議会」といいます)。に加入することが必要です。初めて1号特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に協議会に加入し、加入後は、協議会に対し、必要な協力を行わなければなりません。特定技能所属機関が、初めて航空分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、地方出入国在留管理局に対する在留所申請の際に、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に協議会の構成員となる旨の誓約書の提出が必要です。入国後4か月以内に協議会に加入していない場合には、受け入れ機関適合性を満たさず、在留資格該当性がないことになります。そのため、特定技能外国人の受け入れができないこととなり、その状態で特定技能外国人に就労させる場合は、不法就労助長罪が成立します。

 特定技能所属機関が、2回目以降に受け入れる特定技能外国人にかかる在留諸申請(初めて特定技能外国人を受け入れてから4か月以内の申請を除きます。)及び協議・連絡会の構成員となる旨の誓約書を提出して受け入れた特定技能外国人に係る在留期間更新許可申請の際には、協議・連絡会の構成員であることの証明書の提出が必要です。

3.協議会に対し、必要な協力を行うこと

 特定技能所属機関は、上記2の協議会に対して、必要な協力を行わなければなりません。協議会に対して必要な協力を行わない場合には、受け入れ機関適合性を満たさず、在留資格該当性がないことになります。そのため、特定技能外国人の受け入れができないこととなり、その状態で特定技能外国人に就労させる場合は、不法就労助長罪が成立します。

4.国土交通省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行うこと

 特定技能所属機関は、国土交通省が行う調査または指導に対し、必要な協力を行わなければなりません。国土交通省御調査または指導に対し、必要な協力を行わない場合には、受入れ機関適合性を満たさず、在留資格該当性がないことになります。そのため、特定技能外国人の受け入れができないこととなり、その状態で特定技能外国人に就労させる場合は、不法就労助長罪が成立します。

5.登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託するに当たっては、上記2~4の条件をすべて満たす登録支援機関に委託すること

 特定技能所属機関が登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する場合には、当該登録支援機関も、国土交通省が設置する協議会に加入する必要があります。

 登録支援機関が初めて自動車整備分野において1号特定技能外国人の支援の全部を実施する場合には、当該1号特定技能外国人の入国後4か月以内に、協議会に加入する必要があります。登録支援機関が入国後4か月以内に協議会加入していない場合には、当該登録支援機関に全部委託した特定技能所属機関は、受入れ機関適合性を満たさず、在留資格該当性がないことになります。そのため、特定技能外国人の受け入れができないこととなり、その状態で特定技能外国人に就労させる場合は、不法就労助長罪が成立します。また、登録支援機関が協議会または国土交通省の調査や指導に対し、必要な協力を行わない場合には、当該登録支援機関に善美託した特定技能所属機関は、受入れ機関適合性を満たさず、在留資格該当性がないことになります。そのため、特定技能外国人の受け入れができないこととなり、その状態で特定技能外国人に就労させる場合は、不法就労助長罪が成立します。

特定技能外国人が有すべき要件

特定技能外国人が有すべき技能水準

 航空分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)または特定技能評価試験(航空分野:航空機整備)の合格及び、国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)の合格、または、空港グランドハンドリング職種・航空機地上支援作業の2号技能実習を良好に修了した者とされます。

18歳以上で、健康状態が良好であること

試験合格のルートでも、技能実習2号を良好に修了したルートのどちらのルートでも、本人の健康状態が良好であることが必要なので、在留資格の申請時に健康診断書が必要です。健康診断書の様式は、入国管理庁のホームページからダウンロードできます。

特定技能の在留資格で通算5年になっていないこと

 特定技能1号の場合は、特定技能の在留資格で通算5年までしか在留できません。それを超えて在留資格の申請をしても許可を得られませんのでご注意ください。

特定技能2号について

 特定技能2号は、2023年12月現在、なっている人がとても少ないですが、これからは徐々に増えていくと思われます。特定技能2号になると、在留期間の更新に上限がなくなり、扶養する配偶者・子の帯同が可能となるというメリットがあります。

雇用形態は、フルタイムの直接雇用に限られます。